« 笠置峡 風に遊ぶ | トップページ | ベルエキップ2020.4.12 »

2020年4月 7日 (火)

奈良の花 そなたは何か 春の風

あをによし
 奈良の都は
   咲く花の
    匂うがごとく
      今盛りなり
 

春爛漫 満開の花を思わせるあまりにも有名な華やかなうたですね。 

 

20200407-03833

 

大宰少貳(だざいのしょうに) 小野老(おののおゆ) (生年不詳~737年頃)) が、奈良時代に太宰府で望郷の念で詠んだうたです。

果たして、ここで詠まれている「花」は何の花なんでしょう?

時代背景もありますし  ? ?

 ・
 ・
 ・
 ・
  

歌が詠まれたのは神亀6年(729年)長屋王の変で、藤原不比等の息子四兄弟が政敵、長屋王を死に追いやり、藤原氏がいよいよ政治の実権を握ろうとしていた時期。
小野老(おののおゆ) が太宰府で大宰少貳(だざいのしょうに)の時に詠まれたものです。

奈良時代(710年 ~794年) 花と言えば「梅」のこと、平安時代(794年〜1192年)は 花といえば「桜」のこととも言われますが、

奈良時代発刊された万葉集で詠まれている花ベスト5を見てみましょう。
萩141
梅116
橘・花橘107
藤44
桜41
萩が一番で梅は2番 桜も5番に載っています。萩は秋の花ですし、橘は詠まれているのは花だけではありません。
 
そうすると、春に関係しそうなのは
梅116
藤44
桜41
の3種類ですね。

奈良時代ば「梅」、平安時代は「桜」といいながら、

平安時代に伊勢大輔(いせのたいふ)が詠んだうたに、
『いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな』があり、

平安時代に梅を花として詠まれたものに、
紀貫之 (866年〜945年)が、梅の花を折りて、よめるうた
『ひとはいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける』があります。

桜を詠んだ和歌で有名な物は
在原業平(825年〜880年)
『世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』

西行
『願わくば 花の下にて春死なむ その如月の望月の頃』
これは1170〜1190年平安末期に詠まれたもの。これは二つとも平安時代です。

…………………………………………

小野老(おののおゆ) は、藤原四子政権下において、
神亀5年(728年)大宰少弐

神亀6年(729年)長屋王の変で藤原氏側へ着く
神亀6年(729年)従五位上
天平3年(731年)正五位下
天平5年(733年)正五位上
天平6年(734年)従四位下
天平7年(735年)大宰大弐
と順調に昇進し大宰大弐にまで昇進しますが、
 歌が詠まれたのは728年に大宰少弐として大宰府に赴任してから735年の大宰大弐に昇進するまでの期間ですが、
729年の長屋王の変では藤原氏に組して昇進しており、恩義がある藤原氏の繁栄を詠んだ「藤」だという説もあります。
大宰大弐とは太宰府では親王が(帥(そつ)長官)であり、帥がないときは代わって府務を統率した最高位

神亀6年(729年)藤原不比等の息子四兄弟が政敵、長屋王を死に追いやり、
藤原氏がいよいよ政治の実権を握ろうとしていた時期昇進し、大宰府で詠まれた歌であるから、これは藤原氏の繁栄を詠んだ「藤」だという説もあります。
なるほど時代背景を踏まえれば、単なる望郷の和歌ではないとも言えますね。

桜 梅 藤 
それとも他の花?

 ・
 ・
 ・
 ・
さて、遥かなる万葉の世界を思いつつ、皆様はどの花だと観じられますか?

|

« 笠置峡 風に遊ぶ | トップページ | ベルエキップ2020.4.12 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 笠置峡 風に遊ぶ | トップページ | ベルエキップ2020.4.12 »