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2019年4月29日 (月)

物語のある料理

物語のある料理

山笑ふ 若葉の蕎麦

 今恵那の山々は
冬山惨淡とした眠りから
春山淡冶にして笑ふが如く

  若葉が目覚め幾万の新緑に生まれ変わろうとしています。

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桜も里の桜は散り
山桜は花と共にやさしく淡い新芽と共演しています。
      
年に一度、この新緑の時期に楽しんでいただきたいと、約一年ぶりにお客様へお出しした初蕎麦です。

「野の花料理・恵那の野山の蕎麦懐石」の桜の宴の七番目にお出しした料理。

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七、若葉の御前蕎麦   不思議な白出汁つゆ     共に周之介作 たたら造り 刷毛目 まな板皿   貫入 三つ巴型 小鉢

この時期に春を一番感じていただきたい蕎麦。新緑の木の葉は 少し淡い緑、裏側は更に淡い緑になっていますが、
この葉のように表裏の緑を変えた不思議な蕎麦。

   春の山菜のようにほのかに新芽の苦味と甘さがある春の味のする蕎麦でございます。

御前粉は名の通り上級武士以上に許された江戸好みの本更科粉で、蕎麦の実の中心部に少ししかない貴重な真っ白で上品な、きれいでさらっとした味なので、お抹茶の味と色を生かすためにこの御膳粉だけを使用して片面をお抹茶で造った蕎麦です。

 

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 表裏で色が違うので昼夜蕎麦とも言いますが、お抹茶で作られた昼夜蕎麦はここでしか味わえない日本唯一の蕎麦。
それを今年初めて打ってお出ししました。

 蕎麦つゆも この若葉の蕎麦のためだけに造ったものです。
鰹節と昆布、砂糖を使う通常の蕎麦屋さんの蕎麦つゆは抹茶の味を殺してしまいます。
この為、鰹節や昆布、椎茸も使わないで十分旨みのある蕎麦つゆを10年ほど掛けて考案した半透明のつゆです。

この若葉の蕎麦にマリアージュさせたお酒は特に超レアもの。

★大七酒造 超古酒 秘蔵酒 自然酒生酛 1992年醸造 (27年前のお酒)

無農薬有機肥料で酒米を作り純米仕込みの自然酒を、25年長期低温熟成させた
もう二度とお目にかかれない究極の古酒

グラスは この雰囲気に合わせた 古き良き時代 100年程前1920年代 大正時代の吹きガラス酒杯(さかつき)

福島県二本松市の大七酒造
二本松藩は幕末の戊辰戦争では奥羽越列藩同盟に参加して新政府軍と戦ったが、義に厚く、慶応4年(1868年)12歳から17歳の少年兵部隊である二本松少年隊なども活躍して徹底抗戦を行なったが、あの会津よりも徹底的に壊滅させられた所。
大七酒蔵はその歴史も経験した1752年(宝暦2年)の創業で、創業以来全商品を日本古来の生酛造りをされている醸造元。

大七のこの究極のお酒を造られた福島県内では初の「名工」と言われた杜氏さんも遠くへ旅立たれ二度と口に出来ないお酒です。長い人生をを経ることでしか表せない達観した世界のように、穏やかですがたっぷりとしたまろやかなコクを持ち、古酒にありがちな独特の癖や雑味などなく、飲み終わった後も旨みの余韻が深く非常に伸びる、
希少でプレミアム付高価だがこの上も無い上品で究極の味の酒。

山吹色のこの一杯のお酒だけで満足されてしまう、まさに本物を知った大人の至高の酒です。
私はこれを特別な料理に合わせるためにご用意していますが、
もうおそらく市場には残っていないであろう本当の幻の酒ですね。

この至高の酒を、やさしい若葉の味わいの蕎麦にそっと寄り添うように合わせました。

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