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2018年10月 9日 (火)

更科 中津川市 2018.9.30

蕎麦は生き物である。

蕎麦は水とそば粉をこねた単純なものだが、単純な故にそばの目利きとその腕とが大きく左右する。

その日の健康状態や気温、湿度、だけでも蕎麦の味がかわり、どうやっても同じものは打てない世界。

それをどの様に観て打つか職人の技量が試される厳しい世界である。

 私も蕎麦打ちの端くれとして研鑽に努めるしかない。

 美味い蕎麦を求めて全国のこだわりのお店をまわりだして何十年、もう300店舗は優に超えましたが、蕎麦は生き物。

新しい発見と変化があり、今も時々出かけていますが、リピートするお気に入りのお店でも、安定しているか、蕎麦や味がどのように変化しているか勉強です。

 この東濃地方にも いい手打ち蕎麦を打たれるお店が数店舗あり、今回は中津川市では いつも行く「手打ち蕎麦わくり」ではなく、2年振りにすぐ近くにある更科さんへお邪魔しました。

 

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「更科」といえば、江戸時代から続く「藪 」、「砂場 」と並び、蕎麦御三家の一つに数えられている「更科(さらしな)」があまりにも有名で、それを思ってしまいました。

又、更科とは蕎麦の実の中心の真っ白な更科粉で打つ更科そばを出す店かなと思いがちですが、こちらは、更科蕎麦は作られていなくて、その両方とも関係はないようです。

 

 

お店は古い街道街に お似合いの、時間を感じさせるクラシックな蕎麦屋さん。


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蕎麦店内の中央で茸も販売されていました

         (写真がボケていますが)

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美味い蕎麦屋には美味い酒があるのが基本だが、

店内に入ると、獺祭磨き二割三分や写楽の一升瓶が目についた。

メニューには蕎麦屋らしい基本のつまみもある。これだけでまともな蕎麦屋の感じが溢れている。

しかし、今日は車。 蕎麦屋酒は残念ながら据え置きだ。

さて、お品書き。

 

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地元 阿木産 玄そばの全粒粉を二種類の篩(ふるい)で振るうことで、そば粉の香り、食感、ぬめり、ざらつき、甘さを生かした二八の田舎そばですと書いてある。

 この阿木地区のそばは私も数回打った事がありますが、中々レベルの高いそばの実が生産されています。元々のそば品種は、信州で多く生産されていた、 味が濃くて旨みのある信濃1号のようです。

 

Img_1970写真がぼけぼけになってしまいました

 

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 天然きのこそばがあり、山国らしい良いメニューだが、(温・冷)とあるので

これの冷たいものを頼んだら、暖かいものだけと言われ、残念。

 

  (蕎麦の味を知るには蕎麦が冷たくなくてはならないと思っているので)

次いで、ざる蕎麦と野菜の天ぷらにしようと思ったが、野菜のものは なさそうなので大海老天ざる1500円を注文。

 

 

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 さて出された蕎麦は、中津川市阿木産 ニハ蕎麦。

少し黒い、粒子はやや細かめで所々に黒い星が飛び、並打ちの太さ。

 

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60メッシュ位の粒子に鬼殻30メッシュの粒子を30%位足した様な感じのニハ蕎麦。

 いつもの様に何もつけないでまず、蕎麦をいただく。

鬼殻は挽き方によって粒子が50メッシュ以下でも鬼殻の黒い粒子の角が尖っていて喉にひかかるザラつき感のあるものが多いが、こちらは鬼殻特有のざらつきもほどほどに抑えてあり、苦味は無く、甘みがある。中々いい挽き方といい打ち方の蕎麦である。

 私の打つのは、 超々粗挽き十割蕎麦で、 丸抜き(鬼殻を取り去ったもの)を手で挽いて、ザラつかないプチプチモチッとした蕎麦の旨味だけを追求した蕎麦で、 こちらの蕎麦は私のものとはまた別世界。

様々な打ち方、香り味、太さなどの蕎麦があり、それぞれ亭主の拘りがあり、こういうそばもまた良いものです。

 そばつゆは、関東風でも関西風でもない、この地方らしく甘味の出たつゆ。

こういう甘みのつゆは田舎らしい挽きぐるみのもう少し鬼殻の苦味とかが出た蕎麦ならよく合うが、

今日の蕎麦は特に甘みの出た良い味なので、そばつゆの甘みが蕎麦の甘みを消してしまうのでチョット勿体無い。

関東風の辛口つゆならこの蕎麦の甘みを生かし合うだろうと思う。

 

しかし、この甘さもまた、この土地らしい地に着いた味。此処で生きている地物の味だ、大切にしよう。

 

 

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と言いながら、蕎麦はお塩で大半 頂いた。

お塩の方がこの蕎麦の甘味を活かしてくれる。

天ぷら

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 海老 かぼちゃ 蓮根 シシトウなどがあり、茗荷が入っていた。 茗荷は嬉しい。

海老はどうでも良いが、場所的にも季節的にも地元のキノコがここに入っていたらもっと嬉しいだろうな。

 私が最初に思った蕎麦の粒子は60メッシュ位と30メッシュでしたが、

帰り際にメッシュを聞いたら、自家製粉の40メッシュと20メッシュということで、今回は外れでした。

  40メッシュと30メッシュでは粒子の経は0.1mm程の差ですが、時々自分の気分で外れてしまいます。😅

中津川駅からすぐで、いつも行く「手打ち蕎麦わくり」 から30mほどのところにあるお店です。味も雰囲気もまた違った 「わくり」と、美味しい蕎麦屋どうしがすぐそばにあるのもまた楽しいです。

営業は夜は予約以外はやっていないので、お昼に伺って、蕎麦屋のつまみをいただきながら、蕎麦屋酒をしようと思います。

 いい蕎麦のお店でした。

更科 

岐阜県中津川市太田町2-2-31

 

営業時間

11:30~そばが無くなり次第

定休日 不定休

TEL: 0573-65-2075

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