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2018年7月 7日 (土)

魂のない鱧の湯引き

季節毎に様々美味しい食材が出てくるとてもありがたい国 日本。

 風や気候の変化などで季節を感じると体が覚えているのでしょう

その季節の料理がふと食べたくなります。

 先回の蓴菜(じゅんさい)に続く季節のもの

 梅雨に入り暑さを感じさせる丁度  自分、どうしても食べたくなるものがあります。

それは、梅雨の水を飲んで美味しくなると言われ、

梅雨に入り、産卵を前にした今が最もおいしいと言われる「鱧」です。

 

Img_0385

 関西以外の方々にとっては馴染みの薄い魚かも知れませんが、

京都の祇園祭りや大阪の天神祭りには欠かせない食材であり、関西、特に京・大阪の夏には、なくてはならぬ高級魚です。

ちよっといい和食店などに行くと、驚くほどの値段が付けられていたりしますが、

ハモ自体はそれほど高い魚でもないのですが、下処理が大変でその技術料でしょうね。

ハモ料理に必要な下処理は、なんといっても「骨切り」が命。小骨が特に多く普通の魚とは違った横方向にも骨がある魚なので、皮一枚を残して身に切り目をこまかく入れ、骨を細かく切断します。

 プロは「一寸に25本」(3.03cm25=1.2mm)以上の切り目を入れるとされますが、私は口の中で身がホロホロと崩れていくのが好きなので、もう少し細かい切り方が好きです。

その料理は、湯引き、酢の物の鱧ざくや、和え物、吸い物、蒲焼、煮物、揚げ物、すり身(蒲鉾)……と何にでも使え、癖がなく飽きの来ない滋味溢れる味で、時には鱧会席や鱧づくしといった高級料理にされます。

 

中でも私が一番好きなのは、最もポピュラーですが、白い牡丹の花が咲いたような きれいな形と鱧の滋味が一番楽しめる「鱧の落とし(鱧の湯引き)」です。

口の中でホロホロと崩れて行く鱧の身と共に滋味を楽しむ……ああこの味だ この季節だ     と感じる旨さですね。

ただ、湯引きは余分な味付けなどしない料理なので、特に骨切りの上手下手が味を大きく左右します。

 毎年梅雨のこの時期になると、無性に鱧が食べたくなり、「鱧が呼んでいる」と、かつては毎年の様に京都に行ったものです。

(当時は時々所用で京都に行く機会も多かったこともありますが。)

なぜ京都かと言いますと、やはり他の地方では骨切りが上手ではなく、舌に骨が当たる店が多かったからです。

ただ、地方でも京料理のわかっている日本料理店ならきちんと骨切りのできた鱧の湯引きが出せるだろう、この時期ならそういう良いお店なら何も言わなくても鱧は使われるだろうと思い、

日本料理なら此処とまず名前の出る、定評のあるお店へおじゃましました。

「美」や「十四代」などのちょっと珍しいお酒もあり、頂きながら綺麗な会席料理。

さすが、どの料理もとてもきれいな盛りつけです。

椀物が来ました。

 会席料理でのメインは日本料理の技術と美意識が集約されている「椀物とお造り」ですが、これで店が分かると言います。

さて、椀の蓋を開けたら 彩り豪華な金粉入り。

 

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きちんとこの時期の定番「鱧の湯引」も入っています。

定石の様に赤い梅肉が乗っています。

さすが 名人のお店、椀物はきれいです。

見た目は豪華で綺麗ですが。

食べてビックリ!

骨切りしてある様に見えるのに、切れていない長い小骨が数本出てくる。

 

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 過去何十回と食べている鱧の湯引です、今までにも5mm位の小骨が12本入っていたことはありますが、今回はその倍ほどある。

過去最長です。1本や2本なら間違えて入ることはありますが、

一口食べただけで10本ほど出てくる。

               

よく見たら骨切りの切り幅が本来なら1mm前後の筈なのに3mmほどもあります。

 


どうしたらこうなるのだろう。

       

こういうランクの上のお店ではあり得ないことだが、ここまで切り方が太いということは、

あくまでも仮説ですが、スーパーなどで売っているような機械切りをして湯がいた鱧を使った可能性もあります。

又は、新人アルバイトさんに切らせたか?

忙しすぎてご主人がチェック出来なかったのかも知れませんが、

どういう経過にしろ鱧の命は骨切りです。

骨切りできないならば、鱧を使わなければすんだのに

飾り方はとても上手なお店ですが、

仏作って魂入れず

この曇天の空よりも大雨で心が折れました。

とても楽しみに

この季節の1番を楽しもうと伺ったのに 一番残念な鱧の湯引でした。

ああほろほろと柔らかく口の中で崩れていくあの感触の鱧が食べたい、

 京 大阪へ行くしか無いのだろうか 別のお店でリベンジしてみよう

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