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2017年4月26日 (水)

難解な扁額

先日オークションで
棟方志功の掛け軸を落札し、届いたら、異常に重い。
何故か分厚い一枚板の扁額が一緒に入っていた。

ちょっと特殊な絵だったのでそちらばかり気になっていて、気がつかなかったのだろうか。 

長い間何処かで大切に掛けられていたのだろう傷もない
棟方志功が彫った扁額

 

20170426_100940

『又玄』
ゆうげんと読む

この扁額だけでもとても高価なものだろうに
なぜ
私のところへ一緒にきたのだろう

何かの示唆か。

僕のような馬鹿は、出る杭は打たれて痛みを知り、はじめて伸びると、迷いだけで動き回り
大怪我も何度かあった。

それでも懲りず
未だに五歳児のまま転びながら擦り傷だらけの人生

迷うからこそ人間であり、達観しようとさらに迷い続ける者であり、迷いの中で前を向き歩き続けるのが人間だと思い
そしてそれをたのしんでいる。

全く「無思慮」の人生である。

そんな私の元へきた扁額『又玄』。

 

20170426_101016

 

世界の哲学書の中で一番難解ともいえる「老子」

孔子も教えを受けた世界

この難解な『老子』の根本を一言で現した言葉『又玄』(ゆうげん)。

又玄とは 玄の玄である。
玄の更に奥にある玄

”奥深い上にも、なお奥深い道”という意味で、この模索から全てが始まる。

あまりにも深すぎて浅学の私では太刀打ちできん。

 

20170426_101038

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老子第一章

-------原文-----

道可道非常道。
名可名非常名。
無名天地之始。有名萬物之母。
故常無欲以觀其妙。常有欲以觀其徼。
此兩者。同出而異名。
同謂之玄。玄之又玄。
衆妙之門。

-----訳-------
道(みち)の道とすべきは、常(つね)の道に非(あら)ず。
名(な)の名とすべきは、常の名に非ず。

名無きは天地(てんち)の始め、名有るは万物(ばんぶつ)の母なり。

故(ゆえ)に常(つね)に無欲(むよく)にしてその妙を観、常に有欲にしてその徼を観る。

この両者は同じきに出でて而(しか)も名を異(こと)にす。
同じきをこれを玄(げん)と謂(い)い、
玄のまた玄は、
衆妙(しゅうみょう)の門なり。

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道とは目にも見えず、名も無く、大きさも無い、全ての始まりの起こりである。
道とは何も無く、ただの空っぽの無明であるがゆえに、すべてのものがここから生まれる。
しかるに、道とはすべての根源、そしてそれはいつも変化し定まる事はなく、
人に知られる事も、理解される事もなく、永遠であり無限大であり、形も無い。
 
 
 
その道より生まれたる名が有り、形あるもの「天地(陰陽)」が万物の母である。
しかし、その名も、ただ天と地(陰と陽)を分けるために付けられた呼び名であり
定められたものなど何も無く、道と同じく常に変化していく。
ただしこちらには、形もあり、寿命もあり、有限である。
 
 
その無名なる道の存在を信じ、常にそれに従うなら(無欲)
 
心は平和であり形無きものの素晴らしさを知るであろう。
しかし、名有るものに囚われて生きるなら(有欲)
 
心はいつも揺れ動き、形有るものに惑わされ続けるであろう。
 
 
 
しかし、その形無きものも、形有るものも同じところから生まれたのだ。
その生まれたところを、もし名づけるなら「玄」と呼ぼう。
しかし、玄もただの呼び名、その玄の奥の奥に「無」と「有」とが作用調和し、
次々と万物を生み出す大いなる門(力)があるのだ。

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生まれたものはすべて名のない「道」の原理原則に沿って存在する。
 
だから「道」とは宇宙の始まりの大元の事。
 

宇宙すら存在しなかった頃の「大いなる意思」みたいなものだろう。
 

道は學ぶことはできるが教えることはできない
言葉で言い表すことのできる道は真の道ではない、書物や言葉は道を指し示すものに過ぎず、真の道は各自が自分自身で見出さなくてはならない。自助努力しかないということだ。
 
刹那で生きている五歳児の自分の人生を考え直せということか、もっと深くもっと迷えということか?

物事の根本とは何か

難解だ
とにかく難しい
だが 考える自分が存在して
その考える存在の中にまた
玄の玄
又玄も在る

何故か手元に来た扁額
『又玄』

無限なる大自然に生かされている重みを感じながら
無知で無能でも
与えられたささやかな頭で行動し
毎日確認しながら生きていこう

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