« たたらで作った陶板皿  | トップページ | 割烹 小栗 2017/1/20 »

2017年1月26日 (木)

アンティークやまあかり 昭和30年代のガラス皿 2017/1/20

「アンティークのやまあかり」さんへ また訪問。

先回とはまた違った数々のアンティークが並んでおり、その中でまた 良い物を見つけました。

雑器のガラス皿です

中央に菊花文、そのまわりと外側に六角籠目(ろっかくかごめ)が円を描き、その間に桜の花と桜の花びらが飛んでいる柄となっています。


20170125_151316

この、ガラス皿

気泡が飛んでいて、部分的に少し歪んでいますが、おそらく戦後直ぐ、昭和20年~30年の前半の雑器だと思います。現代のものでは考えられないことですが、触ると皿の縁に所々バリが残っていました。

 

20170125_154919

 戦前はもっとまともな物が売られていたのでしょうが、敗戦でろくな材料しか手に入らなかった時代でソーダ石灰を使用して吹きガラスや簡易のプレス機でつくり、気泡が沢山入ってしまい形も少し歪んでしまった物ですが、戦後の物不足の時代でしたから商品としても十分流通したのです。

 

その割に傷が少なく、一部バリも付いていましたからあまり使われなく戸棚の奥にでもしまわれて忘れられていたのでしょう。 よく残っていたと思います。

 現代のガラスは技術や原料がよくなり一点の曇りもないきれいな作りになって、それが冷たい感じにさせていますが、これはその歪みや気泡が逆にどこか温か味が感じられるいい味となり、無機質なガラス食器とは全く違う、魂が宿った食器たちです。

 骨董品は最初は数が揃っていても長い年月で壊れたりして1個とか2個になり、揃っているものは希にしかありませんが、これはちょうど5枚ありました。

 

20170125_153323

 

最低4個以上揃ったものを長年探していたので、嬉しくなってしまいます。

 

「恵那の野山の蕎麦懐石」では1日1組4名様限定で、各料理ごとにそれぞれ最適な味わいの日本酒をアンティークのショットグラスでお出ししていますが、この稚拙だが暖かみのある雑器ガラス皿はアンティークのショットグラスの袴として使うつもりですので、早速載せてみました。

 

20170125_154854

   ………………………

グラスを見ていきましょう

ほぼ200年前、1800年頃 19世紀初旬のイギリス製 宙吹き硝子(型を用いず、とけたガラス種を宙空で吹いて成形するガラス)雪柄ハンドカットリキュールグラス

 

20170125_153632

細かな手作業の雪の柄が飛んだグラスで、私の所では珍しくとてもかわいいグラスです。

 この雪柄ハンドカットリキュールグラスはアペリティフとして生原酒の発泡酒をいれて、細かな泡が雪の廻りを昇っていき、足下には桜が散っているというのを見ながら飲んで頂きます。

   ………………………………………

こちらもほぼ200年前、19世紀 1840年前後のフランス製

もしかしたらもっと古いかもしれません。

  クリスタルグラスの製法 クリスタルカットがまだそれほど発達していない時代に、宙吹き硝子を木型などで整形した素朴で単純な整形のクリスタルグラス。幅3.8cm×高さ9.5cm

 

20170125_153656 

20170125_153717

最初にフランスでクリスタルガラス製造を始めたのはサン・ルイ社です。

現代の薄くてキラキラとしたクリスタルグラスからは想像も出来ないごつさがあり、小さくても存在感が何倍もあります。

(クリスタルガラスはチェコのボヘミア地方で17世紀末に発明されましたが、安定して生産されるまでに100年ほど掛かっているようです。 )

こちらは古酒や濃厚な原酒、生酛純米無濾過生原酒などをお出しするときに使います。

 

   ………………………………………

●100年ほど前、1900年頃の フランス ST LOUIS Model PASTEUR  

フランス サンルイ王立クリスタル工房 モデル・パストゥールアンティーク クリスタルグラス

3.8cm×高さ9.5cm

フランスの王家のフルール・ド・リスの紋章

 

20170125_153741

Saint-Louis (サンルイ)は1586年創立 王立科学アカデミーから1781年に「サンルイ王立クリスタル工房」という呼び名を与えられ現代に至っている世界でもっとも権威のあるクリスタル工房。

この柄はフランスの王家の紋章で、信頼、知恵、騎士道精神 を表すアイリスの花を様式化したフルール・ド・リスの紋章をエッチングした作品で、1900年代のまだ刻印をしていない頃のものです。

 

20170125_153903

 もう一つのフランスを代表するクリスタル工房にバカラがありますが、フランスではバカラよりもサンルイの方が人気があるそうです。

ややどっしりとした男性風でどちらかというとドイツ風のかたさがあるバカラに対し、サンルイは優美で優しい女性風で私もバカラよりサンルイの方が好みです。

 

(バカラ社はサン・ルイ社から1764年独立してドイツに近いロレーヌ地方のバカラ村に設立されています。バカラの名はローマの寺院BACCHIARAに由来し、この寺院の守護神はバッカスだそうです。)

 とても繊細で、これでお酒を飲むとお酒がもっと格が上がる感じになり、これは香りの華やかなフルーティーで優しい日本酒が似合いそうです。

もう一回り大きな幅5cm×高さ12cmも持っていますが、こちらはワイン用として使っています。

   ………………………………………

がらっとイメージが変わりシャープな世界 アールデコ

●1920年代 アールデコ ペンタゴンカット リキュールグラス

 

20170125_153946

 (アールデコとはアール・ヌーヴォーの時代に続き、ヨーロッパおよびニューヨークを中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行、発展した装飾の一傾向。原義は装飾美術。幾何学図形をモチーフにした記号的表現や、原色による対比表現などの特徴を持つが、その装飾の度合いや様式は多様です)

 

20170125_154037

 

縦に伸びる切り込みが五角形を形作りシャープに表されています。

これはキリッと辛口のお酒が似合いそうです。

 

   ………………………

●1920年代オランダ アールデコ ジュネーヴァ グラス 

 

20170125_154637

ジュネーヴァというオランダのジン用のショットグラス

 

ジンというとイギリスが有名ですが、ジンの本 家本元はオランダ。1689年、ネーデルランド共和国総督オラニエ公ウィリアム3世がイギリスに渡り、イギリス国王ウィリアム3世として即位した際、このオランダ・ジンのジェネーバを伝えたと言わ れます。そして改良されたものが、イギリスのドライジンになったそうです。

これはフルーティーな大吟醸や逆にマッタリとどっしりとした古酒などにも良さそうです。

   ………………………

●1950年代日本 昭和30年代宙吹きガラス切子リキュールグラス

 

20170125_154754

 

ごくあっさりとした日本の伝統柄 矢来(やらい) 切り子です。

竹を交差させて組んだ柄で、これは高級品よりも純米酒などカジュアルな感じで使えそうです。

 

今回購入したガラス皿はアンティークグラスを載せててみるとそれなりに旨く合っていて良かったと思います。

 
20170125_154936
 
20170125_154946

|

« たたらで作った陶板皿  | トップページ | 割烹 小栗 2017/1/20 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/513695/64809871

この記事へのトラックバック一覧です: アンティークやまあかり 昭和30年代のガラス皿 2017/1/20:

« たたらで作った陶板皿  | トップページ | 割烹 小栗 2017/1/20 »