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2011年12月13日 (火)

倉吉の圭ちゃん68 戦時中の話10 風船爆弾

「こっちから風船とばすだらぁ
すっとたぁかぁ上がって行くだあな」


と言いながら
右手を玉子を持つように丸くして
それを風船に見立て
フワフワと宙に浮かせ
どんどん上に上げていった

「そっでジェット気流に乗っだけ」


と言って 上げた手をスーッと動かした

「すっとだんだん高度が下がるだらぁな」


と言って 少しずつ手を下げて
丸くしている指を一本のばして


「バラストを落とすだぃや」

「すっとまた上昇してってジェット気流に乗っだぁ」

と言って また手を丸くし
上に上げて スーッと動かした

また下げて
さっきは人差し指をのばして バラストを落としたが
今度は中指をのばして
バラストを落として上昇した

次は薬指だった

その次は小指だった

そして
その次は…
ゆっくりおりてきて
指を全部のばして

小さな声で
「ボンッ」
と 言った


僕は興奮して
「スッゴいがあ〜
お父ちゃん スッゴいなぁ」


と言って興奮していたが

父は遠くを見ていた

そして
ぐいのみに焼酎をそそいで
ゆっくり回しはじめた

ぐいのみの中で焼酎がクルクル回っていた

そのクルクル回っている焼酎を見ながら
小さな声で話し出した


「やっとる時はなんの計算しとっだか分からんだけ…」

「終わってから(戦争の事)わかっただけ…」

「そがな計算 させられとっただけなぁ…」


と言って
父は焼酎を一気に飲み干した


おわり

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