« 9月の終わりの肌寒い日は  テナーサックス もの悲しい セプテンバーソング | トップページ | スティーブ・ジョブス氏 ありがとう »

2011年10月 4日 (火)

倉吉の圭ちゃん62 戦時中の話4

そして 独り言のように
「ありゃぁ 恐怖心をあおっとっただなぁ」

と言った


僕は聞いてみた
「撃ち落としたらええだが」


父はニヤリとして話しを続けた

「撃っても落ちんだいや」
「た〜かい所を飛んどるけぇ
撃っても届かんだいや」


僕は嫌な気持ちになって
こう言った


「なんにもできんかぁ」
「やられちゃうが」
父はあまり話さない人だったが
メートルが上がって気分がよくなると
じょうぜつだった

その日も気分が良かったのだろう

父はまた話し出した


「B-29が飛んでくるとなぁ
日本の戦闘機が飛んで行くだけ」

と言いながら
右手を戦闘機にみたてて
きりもみをしながら急上昇するかのように
指をピッとのばして
手を高く高くあげていった


僕はまたわくわくしてきて

「そっでそっでぇ」
と続きをせがんだ

のばした左腕をB-29にみたて
右手の戦闘機を左腕のB-29に近づけ

「ちいっちゃい戦闘機が一生懸命撃っとっだけ」

「でもなぁ
あんまり近づき過ぎるといけんだけ」


僕は不思議に思って
「なんでぇ
撃たれちゃうかぁ」


「それもあっぞ」
「日本の戦闘機は一発当たったら
すぐやられちゃうだけ」
「すぐ火ぃふいて落ちちゃうだいや」

|

« 9月の終わりの肌寒い日は  テナーサックス もの悲しい セプテンバーソング | トップページ | スティーブ・ジョブス氏 ありがとう »

倉吉の圭ちゃん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 倉吉の圭ちゃん62 戦時中の話4:

« 9月の終わりの肌寒い日は  テナーサックス もの悲しい セプテンバーソング | トップページ | スティーブ・ジョブス氏 ありがとう »