« 倉吉の圭ちゃん43  戦艦 艦虎4 | トップページ | 倉吉の圭ちゃん45  戦艦 艦虎6 »

2011年7月 7日 (木)

倉吉の圭ちゃん44  戦艦 艦虎5

父はメガネを片手で持ち上げ
のぞき込むようにしながら
方眉を上げて ニッ と笑い

「あっち行っとれ」
      と言った

それから何日か経ったが
その作業は遅々と進まなかった

僕もいい加減忘れた頃に
れぇちゃんが中をくりぬいた船を持ってきた

中はまだしも
外側も彫刻刀で削っただけでガタガタだった

れぇちゃんは船と紙ヤスリを僕にわたし

「紙ヤスリで
表面のガタガタが無くなるまで磨くだぁで」
と言ってどこかいなくなった

シャカシャカ シャカシャカ

シャカシャカ シャカシャカ

シャカシャカシャカシャカ

たいして削れないし

削りかすでコナコナになるし

だいち 面白くない
つまらない

でもシャカシャカ

つまらなくてもシャカシャカ

シャカシャカシャカシャカ

僕は頑張った
全体に丸みが出てきた

おやつを食べながらシャカシャカ

テレビを見ながらシャカシャカ

1日中シャカシャカした

「れぇちゃん 出来たで」と言って見せた

れぇちゃんは
「よぅ頑張ったなぁ」

「その調子で頑張るだで」と言ってほめてくれたが
もぅやりたくない

「まだやっだかえ」(まだ やるんですか)
「れぇちゃんやってえなぁ」
と言うと

「ボクのが出来るだで」
(れぇちゃんは僕の事をボクと呼ぶ事がしばしばあった)

「だけ頑張ってやるだあが」 (だから 頑張って やるんだよ)

僕は『なんかおかしい』
『作ったるっていっとんなったに』   (作ってあげると言っておられたのに)
と思いながら
次の日もシャカシャカした

また次の日もシャカシャカ

シャカシャカシャカシャカ

次の日もシャカシャカ

シャカシャカシャカシャカ

ついに
れぇちゃんが東京に帰る日が近づいてきた

|

« 倉吉の圭ちゃん43  戦艦 艦虎4 | トップページ | 倉吉の圭ちゃん45  戦艦 艦虎6 »

倉吉の圭ちゃん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 倉吉の圭ちゃん44  戦艦 艦虎5:

« 倉吉の圭ちゃん43  戦艦 艦虎4 | トップページ | 倉吉の圭ちゃん45  戦艦 艦虎6 »